25 片仮名
次に片仮名です。これも平安時代の初めから出てきます。平仮名は、漢字を草書に書
き崩して出来たものですが、片仮名は、漢字の画の一部分を採って作ったもの、初めは
人により、時によって、まちまちに作られていたものが、長い間に段々と統一されて、
今のようにきまったのです。ここに、それぞれの元の字をかかげましょう。
ア − 阿 イ − 伊 ウ − 宇 エ − 江 オ − 於
カ − 加 キ − 幾 ク − 久 ケ − 介 コ − 己
サ − 散 シ − 之 ス − 須 セ − 世 ソ − 曾
タ − 多 チ − 千 ツ − 川 テ − 天 ト − 止
ナ − 奈 ニ − 仁 ヌ − 奴 ネ − 禰 ノ − 乃
ハ − 八 ヒ − 比 フ − 不 ヘ − 部 ホ − 保
マ − 末 ミ − 三 ム − 牟 メ − 女 モ − 毛
ヤ − 也 − − − ユ − 由 − − − ヨ − 與
ラ − 良 リ − 利 ル − 流 レ − 禮 ロ − 呂
ワ − 和 ヰ − 井 − − − ヱ − 惠 ヲ − 乎
(中略)
「いろは歌」の作者を空海(弘法大師)としたように、五十音図の作者も明らかにし
たいのですが、残念ながらはっきりしません。ただそれが最澄(伝教大師)の門流、安
然から明覚に至るまでの、すぐれた悉雲(しったん/古代印度の文字)学者の手に作ら
れたとする推定は、おそらく間違っていないでしょう。そういう人々の功績を、我々は
尊重し、その恩恵に感謝しなければなりません。
25 Katakana Syllabary
Next, katakana syllabary, which also appeared in the beginning of Heian
period. Hiragana syllabary evolved from cursively simplified Chinese
characters, but katakana syllabary was formulated by extracting certain from
them.
At the early stage the forms varied, depending on the writer and the period,
but over a long period, they gradually became unified into the present from.
Following is the list, with the Chinese characters from which they were
derived:
1; phonetic sound
2; katakana syllabary
3; original Chinese characters
1 2 3
a ア 阿
i イ 伊
u ウ 宇
e エ 江
o オ 於
ka カ 加
ki キ 幾
ku ク 久
ke ケ 介
ko コ 己
sa サ 散
shi シ 之
su ス 須
se セ 世
so ソ 曾
ta タ 多
chi チ 千
tsu ツ 川
te テ 天
to ト 止
na ナ 奈
ni ニ 仁
nu ヌ 奴
ne ネ 禰
no ノ 乃
ha ハ 八
hi ヒ 比
fu フ 不
he ヘ 部
ho ホ 保
ma マ 末
mi ミ 三
mu ム 牟
me メ 女
mo モ 毛
ya ヤ 也
yu ユ 由
yo ヨ 與
ra ラ 良
ri リ 利
ru ル 流
re レ 禮
ro ロ 呂
wa ワ 和
wi ヰ 井
we ヱ 惠
wo ヲ 乎
(an omission)
I named Kuukai (Great Master Koubou) as the possible composer of the Iroha
Song, but regrettably the one who developed the table cannot be identified.
However, it can be correctly assumed that it ws developed by brilliant Sanskrit
scholars of Saichou (Great Master Dengyou)'s school, between the times of the
monks Annen and Meikaku. The achievement must valued, and we must be grateful
for its contribution to scholarship.
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少年日本史 (平泉澄)
The story of Japan (Hiraizumi Kiyoshi)
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