「五輪書」書名の由来は密教の五輪(五大)からで、それになぞらえて「地・水・火・風・空」の五巻に分かれる。
・「地の巻」二天一流と名付け、これまでの生涯、兵法のあらましが書かれている。
まっすぐな道を地面に書くということになぞらえている。
・「水の巻」二天一流での心の持ち方、太刀の持ち方や構えなど、実際の剣術に関することが書かれている。
「二天一流の水を手本とする」剣さばき、体さばきを例えて「水の巻」とされている。
・「火の巻」戦いのことについて書かれている。個人対個人、集団対集団の戦いも同じであるとし、
戦いにおいての心構えなどが書かれている。戦いのことを火の勢いに見立て、「火の巻」とされている。
・「風の巻」他の流派について書かれている。「風」というのは昔風、今風それぞれの家風などのこととされている。
・「空の巻」兵法の本質としての「空」について書かれている。
五つの要素(五輪塔を意味し五輪書は武蔵の遺言として託している)
・地(方形)大地・地球を意味し、固い物、動きや変化に対して抵抗する性質。
・水(〇球形)流体、無定形の物、流動的な性質、変化に対して適応する性。
・火(三角形)力強さ、情熱、何かをするための動機づけ、欲求などを表す。
・風(半球形)成長、拡大、自由を表す。
・空(団形)サンスクリット語: आकाश, Ākāśa(アーカーシャ)の訳。虚空とも訳される。
(仏教の思想のサンスクリット語: शून्य, śūnya(シューニャ 訳語は空)とは異なる)
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