論語教育 道徳教育 論語は日本の文化 《徳=仁.義.礼.勇.智.謙.信.忠.寛》 孔子 儒教
序
學而第一
為政第二
八佾 第三
里仁第四
公冶長第五
雍也第六
述而第七
泰伯第八
子罕第九
郷党第十
先進第十一
顔淵第十二
子路第十三
憲問第十四
衛霊公第十五
季氏第十六
陽貨第十七
微子第十八
子張第十九
尭曰第二十
論 語 (子路 第十三)
政治 と 道徳
13-01
子路
(
しろ
)
、
政
(
まつりごと
)
を問う。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、これに先んじ、これを
労
(
ねぎら
)
う。
益
(
えき
)
を請う。曰く、
倦
(
う
)
むことなかれ。
13-02
仲弓
(
ちゅうきゅう
)
、
季氏
(
きし
)
の
宰
(
さい
)
となり、
政
(
まつりごと
)
を問う。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
先
(
さき
)
の
有司
(
ゆうし
)
は
、
小過
(
しょうか
)
を
赦
(
ゆる
)
し、
賢才
(
けんさい
)
を挙げよ。曰く、いずくんぞ
賢才
(
けんさい
)
を知りてこれを挙げん。曰く、なんじの知るところを挙げよ。なんじの知らざるところを、人それこれを
舎
(
お
)
かんや。
13-03
子路
(
しろ
)
曰く、
衛君
(
えいくん
)
、
子
(
し
)
を待ちて
政
(
まつりごと
)
をなさば、子はまさにいずれをか先にせんとする。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、必ずや名を正さんか。子路曰く、これあるかな、子の
迂
(
う
)
なるや。いずくんぞそれ正さん。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
野
(
や
)
なるかな、
由
(
ゆう
)
や。君子はその知らざるところにおいて、けだし
闕如
(
けつじょ
)
たり。名正しからざれば、言うこと順ならず。言うこと順ならざれば、
事
(
こと
)
成らず。事成らざれば、
礼楽
(
れいがく
)
興
(
おこ
)
らず。礼楽興らざれば、刑罰
中
(
あた
)
らず、刑罰
中
(
あた
)
らざれば、民
手足
(
しゅそく
)
を
錯
(
お
)
くところなし。ゆえに君子はこれに名すれば、必ず言うべきなり。これを言えば必ず行なうべきなり。君子はその
言
(
げん
)
において、いやしくもするところなきのみ。
13-04
樊遅
(
はんち
)
、
稼
(
か
)
を学ばんと請う。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、われは老農にしかず。
圃
(
ほ
)
を
為
(
つく
)
ることを学ばんと請う。曰く、われは
老圃
(
ろうほ
)
にしかず。
樊遅
(
はんち
)
出ず。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、小人なるかな、
樊須
(
はんす
)
や。
上
(
かみ
)
、礼を好めば、民あえて敬せざるなし。上、義を好めば、民あえて
服
(
ふく
)
せざるなし。上、信を好めば、民あえて
情
(
じょう
)
を用いざるなし。それかくのごとくんば、四方の民、その子を
襁負
(
きょうふ
)
して至らん。いずくんぞ
稼
(
か
)
を用いん。
13-05
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
詩三百を
誦
(
しょう
)
す
。これに
授
(
さず
)
くるに
政
(
まつりごと
)
をもってして達せず。四方に使いして
専対
(
せんたい
)
するあたわずんば、多しといえどもまた
奚
(
なに
)
をもってなさん。
13-06
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、その身正しければ、
令
(
れい
)
せずして行なわる。その身正しからざれば、令すといえども
従
(
したが
)
われず。
13-07
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
魯
(
ろ
)
と
衛
(
えい
)
との
政
(
まつりごと
)
は、
兄弟
(
けいてい
)
なり。
13-08
子、
衛
(
えい
)
の
公子荊
(
こうしけい
)
を謂う、善く室に居る、と。始めて有るや曰く、
苟
(
いやし
)
くも
合せり、と。少しく有れば曰く、
苟
(
いやし
)
くも
完
(
まった
)
し、と。富有なれば曰く、
苟
(
いやし
)
くも美なり、と。
13-09
子、
衛
(
えい
)
に
適
(
ゆ
)
く。
冉有
(
ぜんゆう
)
、
僕
(
ぼく
)
たり。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
庶
(
おお
)
いかな。冉有曰く、すでに
庶
(
おお
)
し。また何をか加えん。曰く、これを
富
(
と
)
まさん。曰く、すでに富めば、また何をか加えん。曰く、これに
教
(
おし
)
えん。
13-10
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
苟
(
いやし
)
くもわれを用うる者あらば、
期月
(
きげつ
)
のみにして可ならん。三年にして
成
(
な
)
るあらん。
13-11
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、善人、
邦
(
くに
)
を
為
(
おさ
)
むること百年ならば、またもって
残
(
ざん
)
に勝ち
殺
(
さつ
)
を去るべし、と。誠なるかな、この
言
(
げん
)
や。
13-12
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、もし王者あらんも、必ず世にしてのちに仁たらん。
13-13
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
苟
(
いやし
)
くもその身を正しくせば、
政
(
まつりごと
)
に従うにおいて何かあらん。その身を正しくするあたわずんば、
政
(
まつりごと
)
をいかんせん。
13-14
冉子
(
ぜんし
)
、
朝
(
ちょう
)
より退く。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、なんぞ
晏
(
おそ
)
きや。対えて曰く、
政
(
まつりごと
)
ありき。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、それ
事
(
こと
)
ならん。もし
政
(
まつりごと
)
あらば、われをもってせずといえども、われそれこれに
与
(
あずか
)
り聞かん。
13-15
定公
(
ていこう
)
、問う。一言にしてもって
邦
(
くに
)
を
興
(
おこ
)
すべきはこれあるか。孔子対えて曰く、言はもってかくのごとくなるべからざるも、それ
幾
(
ちか
)
きか。人の言に曰く、君たるは難く、臣たるは
易
(
やす
)
からず、と。もし君たるの難きを知らば、一言にして邦を興すに
幾
(
ちか
)
からずや。曰く、一言にして邦を
喪
(
ほろぼ
)
すもの、これありや。孔子対えて曰く、言はもってかくのごとくなるべからざるも、それ
幾
(
ちか
)
きか。人の言に曰く、われ君たるより楽しきはなし。ただそれ言うのみにして、われに
違
(
たが
)
うなきなり、と。もしそれ善くしてこれに
違
(
たが
)
うなくんば、また善からずや。もし善からずして、これに
違
(
たが
)
うなくんば、一言にして邦を喪ぼすに
幾
(
ちか
)
からずや。
13-16
葉公
(
しょうこう
)
、
政
(
まつりごと
)
を問う。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、近き者
説
(
よろこ
)
べば、遠き者
来
(
きた
)
る。
13-17
子夏
(
しか
)
、
?父
(
きょほ
)
の宰となり、
政
(
まつりごと
)
を問う。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
速
(
すみや
)
かなるを欲するなかれ。
小利
(
しょうり
)
を見ることなかれ。
速
(
すみや
)
かならんと欲すれば達せず。小利を見れば、
大事
(
だいじ
)
成らず。
13-18
葉公
(
しょうこう
)
、孔子に語りて曰く、わが党に
直躬
(
ちょくきゅう
)
なる者あり。その父、
羊
(
ひつじ
)
を
攘
(
ぬす
)
む。しこうして
子
(
こ
)
、これを
証
(
しょう
)
せり。孔子曰く、わが党の
直
(
なお
)
き者はこれに異なり。父は子のために
隠
(
かく
)
し、子は父のために隠す。
直
(
なお
)
きことその
中
(
うち
)
に在り。
13-19
樊遅
(
はんち
)
、仁を問う。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
居処
(
きょしょ
)
するに
恭
(
うやうや
)
しく、
事
(
こと
)
を
執
(
と
)
るに
敬
(
つつ
)
しみ、人に
与
(
むか
)
って忠ならば、
夷狄
(
いてき
)
に
之
(
ゆ
)
くといえども、
棄
(
す
)
つべからざるなり。
13-20
子貢、問うて曰く、いかなればここにこれを士と謂うべきか。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、おのれを行なうに恥あり。四方に使いして君命を
辱
(
はずか
)
しめず。士と謂うべし。曰く、あえてその次を問う。曰く、
宗族
(
そうぞく
)
、孝を称し、
郷党
(
きょうとう
)
、
弟
(
てい
)
を称す。曰く、あえてその次を問う。曰く、言うこと必ず信、行なうこと必ず
果
(
か
)
、
然
(
こうこうぜん
)
として小人なるかな。そもそもまたもって次となすべし。曰く、今の
政
(
まつりごと
)
に従う者はいかん。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
噫
(
ああ
)
、
斗
(
とそう
)
の人、なんぞ
算
(
かぞ
)
うるに
足
(
た
)
らんや。
13-21
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
中行
(
ちゅうこう
)
なるものを得てこれに
与
(
くみ
)
するにあらずんば、必ずや
狂狷
(
きょうけん
)
か。狂なる者は進んで取り、
狷
(
けん
)
なる者はなさざるところあるなり。
13-22
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
南人
(
なんじん
)
言えることあり。曰く、人にして
恒
(
つね
)
なければ、もって
巫医
(
ふい
)
を
作
(
な
)
すべからず、と。善いかな。その徳を
恒
(
つね
)
にせざれば、あるいはこれに
羞
(
はじ
)
を
承
(
すす
)
む、とあり。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
占
(
うらな
)
わずしてやまん。
13-23
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、君子は
和
(
わ
)
して
同
(
どう
)
ぜず、小人は同じて和せず。
13-24
子貢
(
しこう
)
、問うて曰く、
郷人
(
きょうじん
)
みなこれを好しとせばいかん。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、いまだ可ならざるなり。
郷人
(
きょうじん
)
みなこれを
悪
(
わろ
)
しとせばいかん。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、いまだ可ならざるなり。
郷人
(
きょうじん
)
の善き者これを好しとし、その善からざる者これを
悪
(
わろ
)
しとするにしかず。
13-25
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、君子は
事
(
つか
)
え
易
(
やす
)
くして
説
(
よろこ
)
ばし難きなり。これを
説
(
よろこ
)
ばすに道をもってせざれば
説
(
よろこ
)
ばざるなり。その人を使うに及んでや、これを
器
(
き
)
とす。小人は
事
(
つか
)
え難くして説ばし易きなり。これを
説
(
よろこ
)
ばすに道をもってせずといえども
説
(
よろこ
)
べばなり。その人を使うに及んでや、
備
(
そな
)
わるを求む。
13-26
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、君子は
泰
(
やす
)
くして
驕
(
おご
)
らず。小人は驕りて泰からず。
13-27
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
剛
(
ごう
)
、
毅
(
き
)
、
木
(
ぼく
)
、
訥
(
とつ
)
なるは仁に近し。
13-28
子路、問うて曰く、いかなればここにこれを士と謂うべきか。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
切切
(
せつせつ
)
、
偲偲
(
しし
)
、
怡怡如
(
いいじょ
)
たらば、士と謂うべきなり。朋友には
切切
(
せつせつ
)
、
偲偲
(
しし
)
たり。
兄弟
(
けいてい
)
には
怡怡
(
いい
)
たれ。
13-29
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、善人が民を教うること七年ならば、またもって
戎
(
じゅう
)
に
即
(
つ
)
かしむべし。
13-30
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、教えざるの民を
以
(
ひき
)
いて戦う。これ、これを
棄
(
す
)
つと謂うなり。
論 語 (子路 第十三) 終
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孔子は、よきリーダーとなるために
人間としての「徳」を身につけなさい、そのための努力をしなさいと説いています。
四書五経は日本の文化
、
論語は小学生から学ぶ必須の書
( 人は心で動く ) ( 利をみて義を思う )
上に立つ者(リーダー)は、それなりの器量と人格がなくてはいけません
・仁 (思いやりの心)
・義 (人間としての正しいすじ道)
・礼 (他の人に敬意を示す作法)
・勇 (決断力)
・智 (洞察力、物ごとを判断する働き)
・謙 (謙虚、つつましくひかえめ)
・信 (うそをつかない約束を守る)
・忠 (まごころ)
・寛 (寛容、心が広く人のあやまちを受け入れる)
の自分を律する倫理性(徳)をもたなければならないと孔子は説いています。
(姉妹篇):
論 語Rongo: 原文,読み下し ,日本語Japanese ,英語English ,フランス語French ,ドイツ語German
序文
、
學而第一(学問のすすめ)
、
為政第二(政治)
、
八佾 第三(禮楽)
、
里仁第四(仁と徳)
、
公冶長第五(政治家人物評)
、
雍也第六(人物評・人生論・学問論)
、
述而第七(孔子)
、
泰伯第八(古代聖帝)
、
子罕第九(孔子の言行人格)
、
郷党第十(孔子の生活態度)
、
先進第十一(孔子の弟子批評と愛情)
、
顔淵第十二(孔子と弟子たちの問答)
、
子路第十三(政治と道徳)
、
憲問第十四(政治家人物論)
、
衛霊公第十五(孔子の教えの数々)
、
季氏第十六(孔子の言葉)
、
陽貨第十七(孔子の金言)
、
微子第十八(孔子の周辺について記述)
、
子張第十九(弟子たちの言葉)
、
尭曰第(天命の伝承)
参考資料
四書五経は日本の文化(朱熹集註)
、
論語はあらゆる教育の聖書[バイブルBible]
、
論語(原文,素読)
、
論語
、
論語(日本語)
、
論語(Analects of Confucius)A
、
B
、
(素読の思い出)
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