論語教育 道徳教育 論語は日本の文化 《徳=仁.義.礼.勇.智.謙.信.忠.寛》 孔子 儒教
序
學而第一
為政第二
八佾 第三
里仁第四
公冶長第五
雍也第六
述而第七
泰伯第八
子罕第九
郷党第十
先進第十一
顔淵第十二
子路第十三
憲問第十四
衛霊公第十五
季氏第十六
陽貨第十七
微子第十八
子張第十九
尭曰第二十
論 語 (陽貨 第十七)
孔子の金言
17-01
貨
(
ようか
)
、孔子を見んと欲す。孔子見えず。孔子に豚を
帰
(
おく
)
る。孔子その
亡
(
な
)
きを時として
往
(
ゆ
)
いて拝す。これに
塗
(
みち
)
に
遇
(
あ
)
う。孔子に
謂
(
い
)
いて曰く、
来
(
きた
)
れ、われなんじと言わん。その宝を
懐
(
いだ
)
きてその
邦
(
くに
)
を迷わすは、仁と謂うべきかと曰わば、不可なりと曰わん。事に従うを好みて、
亟
(
しばし
)
ば時を失うを、知と謂うべきかと曰わば、不可なりと曰わん。日月は
逝
(
ゆ
)
く、
歳
(
とし
)
われとともにせず、とあり。孔子曰く、
諾
(
だく
)
、われまさに
仕
(
つか
)
えんとす。
17-02
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
性
(
せい
)
、あい近し。
習
(
なら
)
いあい遠し。
17-03
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、ただ
上知
(
じょうち
)
と
下愚
(
かぐ
)
とは移らず
17-04
子、
武城
(
ぶじょう
)
に
之
(
ゆ
)
き、
絃歌
(
げんか
)
の声を聞く。夫子、
莞爾
(
かんじ
)
として笑って曰く、
?
(
けい
)
を
割
(
さ
)
くに、なんぞ
牛刀
(
ぎゅうとう
)
を用いん。
子游
(
しゆう
)
対えて曰く、昔は
偃
(
えん
)
や、これを夫子に聞く。曰く、君子
道
(
みち
)
を学べば人を愛し、小人
道
(
みち
)
を学べば使い
易
(
やす
)
し、と。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
二三子
(
にさんし
)
、
偃
(
えん
)
の言
是
(
ぜ
)
なり。前言はこれに
戯
(
たわむ
)
れしのみ。
17-05
公山不擾
(
こうざんふつじょう
)
、
費
(
ひ
)
をもって
畔
(
そむ
)
き、子を
召
(
め
)
す。
往
(
ゆ
)
かんと欲す。
子路
(
しろ
)
、
説
(
よろこ
)
ばずして曰く、
之
(
ゆ
)
く
末
(
な
)
からんのみ。なんぞ必ずしも公山氏にこれ
之
(
ゆ
)
かんや。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、それわれを召す者は、あに
徒
(
いたず
)
らなるのみならんや。もしわれを用うる者あらば、われはそれ
東周
(
とうしゅう
)
となさんか。
17-06
子張
(
しちょう
)
、仁を孔子に問う。孔子曰く、よく
五者
(
ごしゃ
)
を天下に行なうを仁となす。これを
請
(
こ
)
い問う。曰く、
恭
(
きょう
)
・
寛
(
かん
)
・
信
(
しん
)
・
敏
(
びん
)
・
恵
(
けい
)
なり。
恭
(
きょう
)
なれば
侮
(
あなど
)
られず。
寛
(
かん
)
なれば衆を
得
(
う
)
。信なれば人、これに
任
(
にん
)
ず。敏なれば功あり。
恵
(
けい
)
なればもって人を使うに
足
(
た
)
る。
17-07
仏
(
ひつきつ
)
、子を
召
(
め
)
すに
往
(
ゆ
)
かんと欲す。
子路
(
しろ
)
曰く、昔は
由
(
ゆう
)
や、これを夫子に聞けり。曰く、
親
(
みず
)
からその身に不善をなす者には、君子は入らざるなり、と。
仏
(
ひつきつ
)
、
中牟
(
ちゅうぼう
)
をもって
畔
(
そむ
)
く。子の
往
(
ゆ
)
かんとするや、これをいかんせん。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、しかり。この言あるなり。堅きを曰わずや、
磨
(
ま
)
すれども
(
すりへ
)
らず、と。白きを曰わずや、
涅
(
ぬ
)
れども
緇
(
くろ
)
まず。われ、あに
匏瓜
(
ほうか
)
ならんや。いずくんぞよく
繋
(
かか
)
りて
食
(
く
)
われざらんや。
17-08
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
由
(
ゆう
)
や、なんじは
六言
(
りくげん
)
の
六蔽
(
りくへい
)
を聞けるか。対えて曰く、いまだし。(子曰く、)
居
(
お
)
れ、われ、なんじに
語
(
つ
)
げん。仁を好みて学を好まざれば、その
蔽
(
へい
)
や
愚
(
ぐ
)
。知を好みて学を好まざれば、その
蔽
(
へい
)
や
蕩
(
とう
)
。
信
(
しん
)
を好みて学を好まざれば、その
蔽
(
へい
)
や
賊
(
ぞく
)
。
直
(
ちょく
)
を好みて学を好まざれば、その
蔽
(
へい
)
や
絞
(
こう
)
。勇を好みて学を好まざれば、その
蔽
(
へい
)
や乱。
剛
(
ごう
)
を好みて学を好まざれば、その
蔽
(
へい
)
や
狂
(
きょう
)
なり。
17-09
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
小子
(
しょうし
)
、なんぞかの詩を学ぶなきや。詩はもって
興
(
おこ
)
すべく、もって観るべく、もって
羣
(
ぐん
)
すべく、もって怨むべし。これを
邇
(
ちか
)
くしては父に
事
(
つか
)
え、これを遠くしては
君
(
きみ
)
に
事
(
つか
)
え、多く
鳥獣
(
ちょうじゅう
)
草木
(
そうもく
)
の名を
識
(
し
)
る。
17-10
子、
伯魚
(
はくぎょ
)
に謂いて曰く、なんじは
周南
(
しゅうなん
)
・
召南
(
しょうなん
)
を
為
(
おさ
)
めたるか。人にして周南・召南を
為
(
おさ
)
めざれば、それなお正しく
牆面
(
しょうめん
)
して立つがごときか。
17-11
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、礼といい礼という、
玉帛
(
ぎょくはく
)
をいわんや。
楽
(
がく
)
といい
楽
(
がく
)
という、
鍾鼓
(
しょうこ
)
をいわんや。
17-12
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、色
(
はげ
)
しくして、内
荏
(
やわら
)
かなるは、これを小人に
譬
(
たと
)
うれば、それなお
穿
(
せんゆ
)
の
盗
(
とう
)
のごときか。
17-13
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
郷原
(
きょうげん
)
は徳の
賊
(
ぞく
)
なり。
17-14
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、道すがら聴きて、
塗
(
みち
)
すがら説くは、徳をこれ
棄
(
す
)
つるなり。
17-15
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
鄙夫
(
ひふ
)
はともに
君
(
きみ
)
に
事
(
つか
)
うべけんや。そのいまだこれを
得
(
え
)
ざるや、これを得んと
患
(
うれ
)
う。すでにこれを
得
(
う
)
れば、これを失わんことを
患
(
うれ
)
う。
苟
(
いやし
)
くもこれを失わんことを
患
(
うれ
)
うれば、
至
(
いた
)
らざるところなし。
17-16
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
古
(
いにしえ
)
は民に
三疾
(
さんしつ
)
ありき。今やあるいはこれなきなり。
古
(
いにしえ
)
の狂や
肆
(
し
)
なり、今の狂や
蕩
(
とう
)
なり。
古
(
いにしえ
)
の
矜
(
きょう
)
や
廉
(
れん
)
なり、今の
矜
(
きょう
)
や
忿戻
(
ふんれい
)
なり。
古
(
いにしえ
)
の
愚
(
ぐ
)
や
直
(
ちょく
)
なり、今の
愚
(
ぐ
)
や
詐
(
いつわ
)
れるのみ。
17-17
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
巧言
(
こうげん
)
令色
(
れいしょく
)
には、
鮮
(
すくな
)
いかな仁。
17-18
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
紫
(
むらさき
)
の
朱
(
しゅ
)
を奪うを
悪
(
にく
)
む。
鄭声
(
ていせい
)
の
雅楽
(
ががく
)
を乱すを
悪
(
にく
)
む。
利口
(
りこう
)
の
邦家
(
ほうか
)
を
覆
(
くつが
)
えす者を
悪
(
にく
)
む。
17-19
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、われは言うことなからんと欲す。
子貢
(
しこう
)
曰く、
子
(
し
)
もし言わずんば、小子何をか述べん。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
天
(
てん
)
何をか言わんや。
四時
(
しじ
)
行なわれ、
百物
(
ひゃくぶつ
)
生ず。
天
(
てん
)
何をか
言
(
い
)
わんや。
17-20
孺悲
(
じゅひ
)
、孔子に
見
(
まみ
)
えんと欲す。孔子、辞するに
疾
(
しつ
)
をもってす。
命
(
めい
)
を
将
(
おこな
)
う者、戸を
出
(
い
)
ず。
瑟
(
しつ
)
を取りて歌い、これをしてこれを
聞
(
き
)
かしむ。
17-21
宰我
(
さいが
)
問う。三年の
喪
(
も
)
は、期してすでに久し。君子、三年礼をなさざれば、礼必ず
壊
(
やぶ
)
れん。三年
楽
(
がく
)
をなさざれば、楽必ず
崩
(
くず
)
れん。旧穀すでに
没
(
つ
)
きて、新穀すでに
升
(
みの
)
る。
燧
(
すい
)
を
鑚
(
き
)
り火を改め、期にして
已
(
や
)
むべし。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、かの稲を食い、かの錦を
衣
(
き
)
る、なんじにおいて
安
(
やす
)
きか。曰く、安し。(曰く)なんじ安ければこれをなせ。それ君子の
喪
(
も
)
に居るや、
旨
(
うま
)
きを
食
(
くら
)
えども甘からず、
楽
(
がく
)
を聞けども楽しからず、
居処
(
きょしょ
)
して安からず、ゆえになさざるなり。今なんじ安ければこれをなせ。
宰我
(
さいが
)
出ず。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
予
(
よ
)
の不仁なるや。
子
(
こ
)
生れて三年、しかるのちに父母の
懐
(
ふところ
)
より
免
(
まぬ
)
がる。それ三年の
喪
(
も
)
は天下の
通喪
(
つうそう
)
なり。
予
(
よ
)
や、その父母において三年の
愛
(
あい
)
あるか。
17-22
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、
飽食
(
ほうしょく
)
して日を終え、心を用うるところなし。
難
(
かた
)
いかな。
博奕
(
ばくえき
)
なるものあらずや。これをなすはなお
已
(
や
)
むに
賢
(
まさ
)
れり。
17-23
子路曰く、君子は勇を
尚
(
とうと
)
ぶか。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、君子は義、もって
上
(
じょう
)
となす。君子、勇ありて義なければ
乱
(
らん
)
をなし、小人、勇ありて義なければ
盗
(
とう
)
をなす。
17-24
子貢
(
しこう
)
曰く、君子もまた
悪
(
にく
)
むことあるか。
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、悪むことあり。人の悪を
称
(
しょう
)
する者を悪む。下流に居りて
上
(
かみ
)
を
(
そし
)
る者を悪む。勇にして礼なき者を悪む。果敢にして
窒
(
ふさ
)
がる者を悪む。曰く、
賜
(
し
)
や、よく悪むことあるかな。
徼
(
むか
)
えてもって知となす者を悪む。
不孫
(
ふそん
)
にしてもって勇となす者を悪む。
訐
(
あば
)
いてもって
直
(
ちょく
)
となす者を
悪
(
にく
)
む。
17-25
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、ただ女子と小人とは養い難しとなすなり。これを近づくれば
不孫
(
ふそん
)
、これを遠ざくれば
怨
(
うら
)
む。
17-26
子
(
し
)
曰
(
いわ
)
く、年四十にして
悪
(
にく
)
まるるは、それ終らんのみ。
論 語 (陽貨 第十七) 終
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孔子は、よきリーダーとなるために
人間としての「徳」を身につけなさい、そのための努力をしなさいと説いています。
四書五経は日本の文化
、
論語は小学生から学ぶ必須の書
( 人は心で動く ) ( 利をみて義を思う )
上に立つ者(リーダー)は、それなりの器量と人格がなくてはいけません
・仁 (思いやりの心)
・義 (人間としての正しいすじ道)
・礼 (他の人に敬意を示す作法)
・勇 (決断力)
・智 (洞察力、物ごとを判断する働き)
・謙 (謙虚、つつましくひかえめ)
・信 (うそをつかない約束を守る)
・忠 (まごころ)
・寛 (寛容、心が広く人のあやまちを受け入れる)
の自分を律する倫理性(徳)をもたなければならないと孔子は説いています。
(姉妹篇):
論 語Rongo: 原文,読み下し ,日本語Japanese ,英語English ,フランス語French ,ドイツ語German
序文
、
學而第一(学問のすすめ)
、
為政第二(政治)
、
八佾 第三(禮楽)
、
里仁第四(仁と徳)
、
公冶長第五(政治家人物評)
、
雍也第六(人物評・人生論・学問論)
、
述而第七(孔子)
、
泰伯第八(古代聖帝)
、
子罕第九(孔子の言行人格)
、
郷党第十(孔子の生活態度)
、
先進第十一(孔子の弟子批評と愛情)
、
顔淵第十二(孔子と弟子たちの問答)
、
子路第十三(政治と道徳)
、
憲問第十四(政治家人物論)
、
衛霊公第十五(孔子の教えの数々)
、
季氏第十六(孔子の言葉)
、
陽貨第十七(孔子の金言)
、
微子第十八(孔子の周辺について記述)
、
子張第十九(弟子たちの言葉)
、
尭曰第(天命の伝承)
参考資料
四書五経は日本の文化(朱熹集註)
、
論語はあらゆる教育の聖書[バイブルBible]
、
論語(原文,素読)
、
論語
、
論語(日本語)
、
論語(Analects of Confucius)A
、
B
、
(素読の思い出)
、
(すらすら読める論語)
(マンガ論語完全入門)
、
(論語:宮崎市定)
、
大学(だいがく)
、
中庸(ちゅうよう)
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荘子
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空海
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