論語教育 道徳教育 論語は日本の文化 《徳=仁.義.礼.勇.智.謙.信.忠.寛》 孔子 儒教
序
學而第一
為政第二
八佾 第三
里仁第四
公冶長第五
雍也第六
述而第七
泰伯第八
子罕第九
郷党第十
先進第十一
顔淵第十二
子路第十三
憲問第十四
衛霊公第十五
季氏第十六
陽貨第十七
微子第十八
子張第十九
尭曰第二十
論 語 (季氏 第十六)
孔子の言葉
16-01
季氏
(
きし
)
、まさに
臾
(
せんゆ
)
を
伐
(
う
)
たんとす。
冉有
(
ぜんゆう
)
、
季路
(
きろ
)
、孔子に
見
(
まみ
)
えて曰く、季氏、まさに
臾
(
せんゆ
)
に
事
(
こと
)
あらんとす。孔子曰く、
求
(
きゅう
)
や、すなわちなんじはこれ
過
(
あやま
)
てることなきか。それ
臾
(
せんゆ
)
は、むかし先王、もって
東蒙
(
とうもう
)
の主となせり。かつ
邦域
(
ほういき
)
の
中
(
うち
)
にあり。これ
社稷
(
しゃしょく
)
の臣なり。なんぞ
伐
(
う
)
つをもってなさん。
冉有
(
ぜんゆう
)
曰く、
夫子
(
ふうし
)
これを欲す。われら
二臣
(
にしん
)
の者はみな欲せざるなり。孔子曰く、求や、
周任
(
しゅうじん
)
言えるあり。曰く、力を
陳
(
の
)
べて列に
就
(
つ
)
き、あたわざれば
止
(
や
)
む、と。危くして
持
(
じ
)
せず、
顛
(
くつが
)
えりて
扶
(
たす
)
けずんば、はたいずくんぞかの
相
(
しょう
)
を用いん。かつなんじの
言
(
げん
)
過
(
あやま
)
てり。
虎
(
こじ
)
、
(
こう
)
より出で、
亀玉
(
きぎょく
)
、
中
(
とくちゅう
)
に
毀
(
やぶ
)
れなば、これ
誰
(
たれ
)
の過ちぞ。
冉有
(
ぜんゆう
)
曰く、今それ
臾
(
せんゆ
)
は固くして
費
(
ひ
)
に近し。今取らずんば、
後世
(
こうせい
)
必ず子孫の憂えとならん。
孔子曰く、求や、君子はかのこれを欲すと曰うを
舎
(
お
)
きて、必ずこれが辞をなすを
疾
(
にく
)
む。
丘
(
きゅう
)
や聞く、国を
有
(
たも
)
ち家を
有
(
たも
)
つ者は、
寡
(
すくな
)
きを
患
(
うれ
)
えずして
均
(
ひと
)
しからざるを患え、貧しきを患えずして安からざるを患う、と。けだし、
均
(
ひと
)
しければ貧しきことなく、
和
(
わ
)
すれば
寡
(
すくな
)
きことなく、安ければ傾くことなし。それかくのごとし。ゆえに
遠人
(
えんじん
)
服せざれば、文徳を修めてもってこれを
来
(
きた
)
す。すでにこれを
来
(
きた
)
せば、すなわちこれを安んず。今、由と求や、夫子を
相
(
たす
)
け、遠人服せずして、
来
(
きた
)
すことあたわず。
邦
(
くに
)
、
文崩
(
ぶんほう
)
離析
(
りせき
)
して守るあたわざるなり。しこうして
干戈
(
かんか
)
を
邦内
(
ほうない
)
に動かさんと
謀
(
はか
)
る。われ恐らくは
季孫
(
きそん
)
の憂えは、
臾
(
せんゆ
)
にあらずして、
蕭牆
(
しょうしょう
)
のうちにあらん。
16-02
孔子曰く、天下に道あれば、
礼楽
(
れいがく
)
征伐
(
せいばつ
)
、天子より出ず。天下に道なければ、すなわち
礼楽
(
れいがく
)
征伐
(
せいばつ
)
、諸侯より出ず。諸侯より
出
(
い
)
ずれば、けだし十世にして失わざること
希
(
まれ
)
なり。大夫より出ずれば、五世にして失わざること
希
(
まれ
)
なり。
陪臣
(
ばいしん
)
国命
(
こくめい
)
を
執
(
と
)
れば、三世にして失わざること
まれ
)
なり。天下に道あれば、
政
(
まつりごと
)
、大夫にあらず。天下に道あれば、
庶人
(
しょじん
)
議
(
ぎ
)
せず。
16-03
孔子曰く、
禄
(
ろく
)
の
公室
(
こうしつ
)
を去ること五世なり。
政
(
まつりごと
)
、大夫に
逮
(
およ
)
ぶこと四世なり。ゆえに
夫
(
か
)
の
三桓
(
さんかん
)
の子孫
微
(
び
)
なり。
16-04
孔子曰く、益する者に三友あり、損する者に三友あり。
直
(
なお
)
きを友とし、
諒
(
まこと
)
あるを友とし、
多聞
(
たぶん
)
を友とするは益なり。
便辟
(
べんぺき
)
を友とし、
善柔
(
ぜんじゅう
)
を友とし、
便佞
(
べんねい
)
を友とするは
損
(
そん
)
なり。
16-05
孔子曰く、益する者に
三楽
(
さんごう
)
、損する者に
三楽
(
さんごう
)
あり。
礼楽
(
れいがく
)
を節するを
楽
(
この
)
み、人の善を
道
(
い
)
うを
楽
(
この
)
み、
賢友
(
けんゆう
)
多きを
楽
(
この
)
むは益あり。
驕楽
(
きょうらく
)
を
楽
(
この
)
み、
佚遊
(
いつゆう
)
を
楽
(
この
)
み、
宴楽
(
えんらく
)
を
楽
(
この
)
むは
損
(
そん
)
なり。
16-06
孔子曰く、君子に侍するに
三愆
(
さんけん
)
あり。
言
(
げん
)
いまだこれに及ばずして言う。これを
躁
(
そう
)
と謂う。言これに及びて言わず。これを
隠
(
いん
)
と謂う。いまだ
顔色
(
がんしょく
)
を見ずして言う、これを
瞽
(
こ
)
と謂う。
16-07
孔子曰く、君子に
三戒
(
さんかい
)
あり。
少
(
わか
)
きときは血気いまだ定まらず。これを戒むる、
色
(
いろ
)
にあり。その壮なるに及んでや、血気まさに
剛
(
ごう
)
なり、これを戒むる、
闘
(
とう
)
にあり。その老いるに及んでや、血気すでに衰う。これを戒むる、
得
(
う
)
るにあり。
16-08
孔子曰く、君子に
三畏
(
さんい
)
あり。天命を
畏
(
おそ
)
れ、
大人
(
たいじん
)
を畏れ、聖人の言を畏る。小人は天命を知らずして
畏
(
おそ
)
れざるなり。大人に
狎
(
な
)
れ、聖人の言を
侮
(
あなど
)
る。
16-09
孔子曰く、生れながらにしてこれを知る者は
上
(
かみ
)
なり。学んでこれを知る者は
次
(
つぎ
)
なり。
困
(
くるし
)
んでこれを学ぶは、またその次なり。
困
(
くるし
)
んで学ばず、ここにおいて
下
(
しも
)
となす。
16-10
孔子曰く、君子に九つの思いあり。
視
(
み
)
るには
明
(
めい
)
を思い、聴くには
聡
(
そう
)
を思い、
色
(
いろ
)
は
温
(
おん
)
を思い、
貌
(
かたち
)
は
恭
(
きょう
)
を思い、
言
(
げん
)
は
忠
(
ちゅう
)
を思い、
事
(
こと
)
は
敬
(
けい
)
を思い、疑いには問うを思い、
忿
(
いか
)
りには
難
(
なん
)
を思い、
得
(
う
)
るを見ては
義
(
ぎ
)
を思う。
16-11
孔子曰く、善を見ては
及
(
およ
)
ばざるがごとくし、不善を見ては
湯
(
ゆ
)
を探るがごとくす。われその人を見たり。われその語を聞けり。隠居してもってその
志
(
こころざし
)
を求め、義を行ないてもってその道を
達
(
たっ
)
す。われその語を聞けり。いまだその人を
見
(
み
)
ざるなり。
16-12
斉
(
せい
)
の
景公
(
けいこう
)
には馬千
駟
(
し
)
あり。死するの日、民、徳として称するなし。
伯夷
(
はくい
)
、
叔斉
(
しゅくせい
)
は
首陽
(
しゅよう
)
の
下
(
もと
)
に
餓
(
う
)
う。民、今に到るまでこれを称す。それ、これの
謂
(
い
)
いか。
16-13
陳亢
(
ちんこう
)
、
伯魚
(
はくぎょ
)
に問うて曰く、
子
(
し
)
もまた
異聞
(
いぶん
)
あるか。対えて曰く、いまだし。かつて
独
(
ひと
)
り立つ。
鯉
(
り
)
、
趨
(
はし
)
りて庭を
過
(
す
)
ぐ。曰く、詩を学びたるか。対えて曰く、いまだし。(曰く)詩を学ばざれば、もって言うなし、と。
鯉
(
り
)
、退いて詩を学ぶ。他日また
独
(
ひと
)
り立つ。
鯉
(
り
)
、
趨
(
はし
)
りて庭を
過
(
す
)
ぐ。曰く、礼を学びたるか。対えて曰く、いまだし。(曰く)礼を学ばざれば、もって立つなし、と。
鯉
(
り
)
、退いて礼を学べり。この二者を聞く。
陳亢
(
ちんこう
)
退き、喜んで曰く、一を問うて三を得たり。詩を聞き礼を聞き、また君子のその子を
遠
(
とお
)
ざくるを聞けり。
16-14
君
(
ほうくん
)
の妻は、
君
(
きみ
)
よりこれを
称し
(
しょう
)
て夫人と曰い、夫人みずから称して
小童
(
しょうどう
)
と曰い、邦人これを称して
君夫人
(
くんふじん
)
と曰う。これを異邦に称して
寡小君
(
かしょうくん
)
と曰い、異邦人がこれを称するのも、また
君夫人
(
くんふじん
)
と曰う。
論 語 (季氏 第十六) 終
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孔子は、よきリーダーとなるために
人間としての「徳」を身につけなさい、そのための努力をしなさいと説いています。
四書五経は日本の文化
、
論語は小学生から学ぶ必須の書
( 人は心で動く ) ( 利をみて義を思う )
上に立つ者(リーダー)は、それなりの器量と人格がなくてはいけません
・仁 (思いやりの心)
・義 (人間としての正しいすじ道)
・礼 (他の人に敬意を示す作法)
・勇 (決断力)
・智 (洞察力、物ごとを判断する働き)
・謙 (謙虚、つつましくひかえめ)
・信 (うそをつかない約束を守る)
・忠 (まごころ)
・寛 (寛容、心が広く人のあやまちを受け入れる)
の自分を律する倫理性(徳)をもたなければならないと孔子は説いています。
(姉妹篇):
論 語Rongo: 原文,読み下し ,日本語Japanese ,英語English ,フランス語French ,ドイツ語German
序文
、
學而第一(学問のすすめ)
、
為政第二(政治)
、
八佾 第三(禮楽)
、
里仁第四(仁と徳)
、
公冶長第五(政治家人物評)
、
雍也第六(人物評・人生論・学問論)
、
述而第七(孔子)
、
泰伯第八(古代聖帝)
、
子罕第九(孔子の言行人格)
、
郷党第十(孔子の生活態度)
、
先進第十一(孔子の弟子批評と愛情)
、
顔淵第十二(孔子と弟子たちの問答)
、
子路第十三(政治と道徳)
、
憲問第十四(政治家人物論)
、
衛霊公第十五(孔子の教えの数々)
、
季氏第十六(孔子の言葉)
、
陽貨第十七(孔子の金言)
、
微子第十八(孔子の周辺について記述)
、
子張第十九(弟子たちの言葉)
、
尭曰第(天命の伝承)
参考資料
四書五経は日本の文化(朱熹集註)
、
論語はあらゆる教育の聖書[バイブルBible]
、
論語(原文,素読)
、
論語
、
論語(日本語)
、
論語(Analects of Confucius)A
、
B
、
(素読の思い出)
、
(すらすら読める論語)
(マンガ論語完全入門)
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(論語:宮崎市定)
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